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「反米民族主義」

「反米民族主義」が復活する韓国
「駐韓米大使襲撃事件」を木村幹教授に聞く(1)
鈴置 高史
2015年3月19日(木)

「反日の日」に反米デモ

木村先生は3月5日のリッパート(Mark W. Lippert)米大使襲撃事件の当日、ソウルにおられました。韓国の空気はどんなものでしたか。

木村:まず、その4日前にソウルで繰り広げられた「3・1節」のデモに注目すべきと思います。「反米」が全面に出ていたのです。これには正直、驚きました。

 今回のソウル訪問の目的の1つは、例年行われるこのデモを観察することでした。米大使襲撃事件を考えるために、韓国の変化をくっきりと映したこのデモの話からいたします。

鈴置:1919年3月1日に起きた、日本からの独立運動が「3・1運動」。それをたたえるデモですね。この日は韓国では「反日記念日」です。

 私がソウルに住んでいたのは4半世紀前の話ですが、日本人はこの日は外出しないよう注意を受けたものです。一方、米国は日本から韓国を救ってくれた恩人。感謝されるべき日だったのですが……。

木村:だから、このデモで「反米」のメッセージが強く打ち出されたことに驚いたのです。今年はソウル大学医学部近くのマロニエ公園から、日本大使館そばの国税庁までデモ行進があるというので取材に行きました。

 集まったのは300人ほど。韓国の進歩派、分かりやすく言えば左派が組織したデモでした。しかもその中で、かなり過激な路線をとる主思派(チュサパ)――北朝鮮の主導原理である主体思想を信奉する流れのグループです。

 デモの先頭に掲げられたのは「反日の日」だけあって、さすがに日本を批判する「慰安婦」関連のプラカードでした。しかし次に出てきたのは「GSOMIA反対」。ここで反米色が一気に強まりました。

朴と安倍を操るオバマ

GSOMIAとは?

鈴置:2012年6月に日韓の間で結びかけたけれど、韓国が当日になって署名をドタキャンした軍事情報保護協定のことです。日韓の軍事情報交換は日米韓の「中国包囲網」につながると懸念した中国が、韓国に圧力をかけた結果でした。

 結局、「情報の交換は北朝鮮の核・ミサイルに限り、かつ米国経由とする」と矮小化したうえ、覚書に格下げして2014年12月にようやく実現しました。中国の顔色を見る韓国に配慮して「中国包囲網ではない」形をとったのです。

木村:もちろん、GSOMIAも覚書も米国が勧進元です。だからデモ隊はこれをことさらに取り上げることで「危険な日本との軍事協力は、実は裏でワシントンが仕切っているのだ」と訴え、米国に対する拒否感を盛り上げたのです。

それを分かりやすく示すためでしょう、オバマ(Barack Obama)大統領のお面をかぶった参加者が、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相のお面をかぶった2人にヒモをつけて後ろから操ってみせていました。

鈴置:米大使襲撃犯が訴えた「米国主導による日韓癒着」と全く同じ主張ですね。日韓関係の悪化に悩むオバマ大統領が見たら「そんな風に操れたらどんなにいいことか」と苦笑したでしょうけれど。

"習近平"もデモに登場

木村:全くその通りです。デモ隊の話に戻りますと「GSOMIA」の次は「NO! THAAD(サード)」が登場しました。新聞用語で言えば「終末高高度防衛ミサイル」です。THAADなど知らない人も多いからでしょう、紙で作ったミサイルをかぶった人がいました。

 デモの隊列もここまで後ろの方に来ると、先頭グループが訴えていた慰安婦問題はもちろん「日本」そのものがどこかにすっとんでしまっています。つまり「米中どちら側の言うことを聞くのか」と国民に迫るデモになっているわけですね。

 米国は今、ミサイル防衛(MD)の一環として在韓米軍基地にTHAADを配備しようとしています。

 一方、これを食い止めようと中国は今や、公式的にも反対している。THAADは名目こそ北朝鮮のミサイルに備えるものだけど、実際には中国の核戦力への防御手段である。そんな中国に対する敵対行為は容赦しない――というわけです。

 そして、それを裏打ちする形で、デモ隊の列の最後の方に、習近平のお面をかぶった人が登場しました。そして“習近平”の手にはプラカードが。

 書かれた文句は「中国から貿易黒字を稼いでいるのに、どうしてTHAADを配備するのか」――。"習近平"は「米中どちらをとるのか」と、改めて韓国人に迫ったのです。

 このデモは、要は「今のままだと中国との関係も取り返しがつかないほどに悪化するぞ。韓米同盟の危険性を見つめよう」――との呼び掛けでした。そしてこれこそ、デモを組織した勢力が一番言いたいことなのです。

矛先は日本から米国に

鈴置:彼らのシュプレヒコールは?

木村:最も多かったのが「戦争反対!」です。誰にでも受け入れられやすいからでしょう。

鈴置:韓国メディアによると、米大使襲撃犯も犯行直後にこのスローガンを叫んでいました。米韓合同演習の最中で、これが北朝鮮との戦争につながると中止を求めてもいた。

木村:「戦争反対!」を除くとシュプレヒコールの順番は、プラカードの並べ方と同じで「慰安婦」→「GISOMIA」→「THAAD」でした。

鈴置:韓国の民族主義の矛先が、日本から米国に向き始めたということですね。少なくとも、そうさせようと狙う勢力がいるということですね。

活動家育てる巧みなデモ

木村:ええ、参加者に対する教育効果も狙っているのでしょう。「戦争反対!」とか「安倍政権は慰安婦に謝罪せよ」とか、若い学生にも共感できるスローガンを叫ばせる。

 そのうちに、もともとは関心の薄かった「GISOMIA」や「THAAD」にも反対させ、無意識のうちに反米感情を彼らに植え付ける仕掛けと思います。この辺りは韓国の運動体のデモはなかなか巧みです。

 こうした「反米」デモは韓国ではこの5年ほどすっかりなりを潜めていました。それが今回、あまりにも露骨な形で登場した――しかも、すっかりノンポリ化しているはずの大学生を動員して――です。

 韓国で「反米」が復活しつつあるのです。まず、米国によって北朝鮮や中国との対立や戦争に巻き込まれる――との恐れから。そして「格差」です。朴槿恵政権が新自由主義的な経済政策をとっていることもあって、それには火が付きやすい。

鈴置:若者の失業率の高さは日本とは比べものにならない。それはいっこうに改善しませんし。

木村:ただ「韓米同盟破棄」というスローガンは私が聞いた限りはなかった。そこまで一気にいくと、普通の韓国人は引いてしまうからと思います。

朴政権も「民族主義」の標的に

参加者は素人だった、ということですか?

木村:要所は活動家が固めていましたが、多くは"初心者"でした。例えばプラカードの持ち方がなっていない。道行く人に見せるのではなく自分たちの方に向けていたりしました。

 デモを指揮する活動家が、交通整理の警官ともめ事を起こした時には、"初心者"から「ムソゥオー」との声があがりました。日本語に訳せば「怖わー」です。

 普通の学生が過半だったと言っていいと思います。大学ごとに数10人のグループで参加していたようですが、彼らの話を聞くと「慰安婦問題に関心があって参加した人」が目立ちました。

 こうしてみると「慰安婦」を主たる材料に「反日民族主義」的な政策を打ち出してきた朴槿恵政権が、逆にこの「反日民族主義」の標的になりつつあることも分かります。

 学生らは「慰安婦」を入り口に運動に入る。しかし、この問題を解決できない、あるいは米国の圧力もあって一部では日本に協力せざるを得ない現政権を見て、批判を強める。そして運動は次第に「反朴槿恵」的な性格を濃くしていく――という流れです。

 今後、朴槿恵大統領が「慰安婦」で少しでも日本に譲歩したと受け止められるような動きをしたら、こうした民族主義者は黙っていないでしょう。運動家は好機到来とばかりに、それを利用することでしょう。

鈴置:デモに参加した学生らは、まだきっちりと組織化はされていないのですね。
高齢化する保守層

木村:ええ。大学から参加した人に聞くと、お互いの関係はまだ「デモ前に数回、集会で会ったことがある」くらいでした。組織としては、これから育てていく感じでした。

 韓国は3月が新学期ですが、入学したばかりの学生もいました。つまり、新入生は正式に入学する前から、このデモに勧誘されていたわけです。

 2014年12月に国会内では最左派の統合進歩党が解散させられたばかりです。北朝鮮の指示を受け、韓国の政体を暴力で破壊しようとする団体と憲法裁判所に認定されたからです。

 こうした北朝鮮に近い組織を再建するためにも「3・1節デモ」が使われている側面があると思います。

鈴置:昔、この日は「反日」を叫ぶ保守派が活動の中軸だったのですが……。

木村:そこです、時代の変化を感じさせたのは。今年は、保守派がいったんは申請したデモを取りやめたそうです。理由は「主催者の体調不良」。

 デモに参加するような積極的な保守層は高齢化が進み、まだ寒い3月初めのソウルの街頭に出るのはつらかったのかもしれません。

鈴置:300人のデモは数としては少ない気がします。1987年の民主化闘争の頃は、数10万人規模のデモもしばしばありました。

懐かしいスローガン、再び

木村:あの頃の韓国は政治の季節でしたからね。学生はデモに参加するのが当たり前だった時代です。

 しかし今は「ノンポリの時代」です。というのに突然「3・1節デモ」が最近にない盛り上がりを見せた。反日デモで参加者が数百人の単位になったのは、久しぶりのことです。

 注目すべきは「反日の皮をかぶった反米」が顔をのぞかせたことであり、突然に盛り上がった反米の空気の中で米大使襲撃事件が発生したことです。これを見落としてはなりません。

鈴置:1980年代に日本で叫ばれたスローガン「日米『韓』3角軍事同盟反対」を思い出します。1983年に中曽根康弘首相が日本の首相として初訪韓し、全斗煥(チョン・ドファン)大統領と会談しました。

 その後、日本では北朝鮮の意向を受けた団体が「米国が日本と韓国を癒着させ、戦争の道に押しやっている」と主張しました。おりしも米国はレーガン(Ronald Reagan)大統領の時代で、共産主義との対決姿勢を鮮明にしていました。

 勤務地だった大阪市東部の歩道橋の上に「3角同盟反対」の横断幕がかかっていたのを今でも覚えています。彼らは韓国を国とは認めないので「韓」とカッコでくくり、「3国」ではなく「3角」としたのです。

木村:同じ時期に韓国でも、日本以上に激しい「反日反米」運動が盛り上がりました。今回の「反日反米」運動はまだ、立ち上がったばかり。でも、あの時代の再来なのです。

 我々のように長く韓国を見ている人間にとっては「懐かしいスローガン」ですが、今の韓国の若者にとっては新鮮に響くのかもしれません。実際、デモに参加した学生たちはとても楽しそうでした。

「ここはイラクなのか?」

鈴置:韓国の保守も「突然に復活した反米」に警戒を強めています。だから、米大使襲撃事件後、彼らは「米韓同盟強化」を大声で叫ぶようになったのでしょう(「『米大使襲撃』で進退極まった韓国」参照)。

 さっそく柳根一(リュー・グンイル)という保守の長老が筆をとりました。襲撃事件当日の3月5日に趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに「『3流エセ民族主義者』の蛮行を糾弾する」を掲載しました。

 柳根一氏は朝鮮日報の論説で鳴らした、韓国では知らぬ人のいない記者です。記事からは韓国保守の焦りがよく分かります。要旨は以下です。

米国大使へのテロが起きるこの地は、イラクかアフガニスタンなのか? 第3世界の近代民族主義は、もともと植民主義、帝国主義に対するアンチ・テーゼから生まれた。
韓国社会の一角にはいまだ、韓国を帝国主義者が支配する植民地、あるいは半植民地、貧農国家と見なし、それを支える韓米同盟を民族、民衆、統一、平和の敵と敵視する時代錯誤の「3流のエセ民族主義」が残っている。
1980年代の新軍部(全斗煥政権)時代に、この「3流のエセ民族主義」が生まれ、頂点に達した。多くの国民は(民族主義を唱え活動する)学生に対し心のどこかで「彼らはそれなりの理由があって怒っているのだから、あれだけやるのも……」と考えもした。
だが、今日の大韓民国がいけないというのなら、ほかに何があるというのか。大韓民国が植民地というなら、休線ラインの北側は何だというのか。
今回の米大使へのテロで、犯人とその同志らは宣伝戦で相当の得点を稼いだ。韓国があたかも反米運動の場であるかのように世界に宣伝した。米国国民の情緒の片隅に「そんな国となぜ同盟を結ぶのか」と反感を起こさせないとも限らない。

木村:保守派の危機感がよく現れた記事ですね。ただ、北朝鮮の影響を大きく見過ぎてはいけないと思います。重要なのは北朝鮮の動向以上に、「反米」が受け入れられやすい環境が韓国に生まれていることなのですから。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150317/278814/

☆☆'.・*.・:★'.・*.・:☆'.・*.・:★'.・*.・:☆'.・*.・:★'.・*.・:☆☆

韓国のこと笑えないと思う。

簡単に扇動されちゃう人が日本にもたくさんいるし。

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